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新国立劇場の「さまよえるオランダ人」を3月7日(木)(2007)に
観てきました。
歌劇「さまよえるオランダ人」として極めて上出来でした。
オランダ人、ゼンタ、父ダーラント、舵取り、エリック、
乳母マリーなど全員が、すばらしい声の良さで揃っており、
期待の日本人の男性合唱、女性合唱も充実していたので、
パワフルさの饗宴となり、正統派の演出とあいまって
すばらしい感動を得ました。
お気に入りの作品、歌劇「さまよえるオランダ人」は
ここ10数年間で5回位は見たことになりますが、
10数年前のヴォルフガング・ザヴァリッシュ指揮のバイエルン
国立歌劇場(ミュンヘン)の東京公演にも匹敵する、レベルの
高い出来だと思いました。1992年11月(ゼンタ)ユリア・ヴァラディ
今日の3月10日(土)のラスト公演はソルドアウトとのことですが、
今、迷っている人がいたら、キャンセルチケットを当てにしてでも
迷わず観に行きなさいと進めます。
オランダ人「ユハ・ウーシタロ」は、もはや欧米でオランダ人歌手とも
いうべき評価を確立しており、容姿と歌唱とも、これは本物のオランダ人
だと疑う余地がないほど。パワフル派のオランダ人の典型と感じました。
ゼンタ「アニヤ・カンペ」の「ゼンタのバラード」も全く余裕の歌唱で、
良く見られる「搾り出す」ような歌唱でなく、際限なく声が出る印象。
声に限界を感じさせない点では、若き日の「アニヤ・シリヤ」を彷彿と
させるものがあります。(A・カンペはバイロイト歌手でもある。)
オランダ人とゼンタの二重唱も、どんどんお互いの想いが乗り移って、
歌唱からすでに、二人が、確信的に引き寄せあう間柄であるという、
オリジナルストーリーを踏襲するものであることが強く感じられます。
エンディングも、ワーグナーがトリスタン終結を後年取り込んだ
と言われる「救済の動機」が癒しをもたらしながら終結します。
決してすれ違うという要素を感じさせない、オーソドックスな
ストーリー展開でも、歌手が全て揃っている公演がいかに、
満足感を与えるものであるかを改めて感じました。
後半の幕に劣らず、第1幕も舵取りとダーラントの声がすばらしく、
狂言回しの芝居が強調されており、コミカルな演出が笑いを誘いました。
そうだ第3幕の恋人エリックも立派だったけど、ゼンタを引き止める
強い気迫や粘りは不足しており、今回は完全な脇役でした。
バイロイトでパルジファル、ジークムント、ワルター等、主役を歌う
歌手エンドリック・ヴォトリッヒとしては、もったいない役どころ。
2005年11月のエド・デワールド指揮、渡辺和子演出、蔵野蘭子
(ゼンタ)のオランダ人公演であれば、エリックはゼンタを説得して
思いとどまらせた執念の恋人として、一躍、主役に躍り出たのだけど。
幽霊船の仕掛けも、新演出として、こんな事ができるのだと、
納得できるものでした。(ラストの場面)
何を言っているのかわからないと思いますが、最後の場面では、
ザヴァリッシュ盤「ジークフリート」(ミュンヘン)映像の
大蛇退治の場面を思い出しました。
(○○○が大蛇を仕留める=類比=×××が幽霊船を沈める。)
今回は、ゼンタの能動的な意志で、因縁や呪いを氷解させ、
オランダ人も、めでたく「死の願望」を遂げることができた
という終結であり、従来とは一線を画し、一歩駒を進めた
現代演出になっていたと思います。(全公演終了後に追記)
(身投げによる偶発的救済でなく「ブリュンヒルデの自己犠牲」
にも通じる、確信的な救済になっていたのではないでしょうか。)
指揮者と演奏の役割は、圧倒的な歌唱の前に、控えめな伴奏の
様に感じましたが、躍動感があり、歌手の力をかなり引き出す
役目も果たしていたと思います。(指揮:ミヒャエル・ボーダー)
これからも新国立劇場の十八番「オランダ人」として、歌手の
レベルをキープして再演して貰えることを期待しています。
ようやく都合のついた平日に出かけた甲斐がありました。
□2007年3月10日記す。
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<追記1>・・・紹介記事より抜粋
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000055.html
R.Wagner
DER FLIEGENDE HOLLÄNDER
R.ワーグナー/全3幕【ドイツ語上演/字幕付】
2007.2.25(日) 3.1(木)、3.4(日)、3.7(木)、3.10(土)
スタッフ
【指揮】ミヒャエル・ボーダー
【演出】マティアス・フォン・シュテークマン
【合唱指揮】三澤 洋史
【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京交響楽団
キャスト
【ダーラント】松位 浩
【ゼンタ】アニヤ・カンペ
【エリック】エンドリック・ヴォトリッヒ
【マリー】竹本 節子
【舵手】高橋 淳
【オランダ人】ユハ・ウーシタロ
【協力】日本ワーグナー協会
【主催】新国立劇場
ゼンタ:アニヤ・カンペ
2002年バイロイト音楽祭にて「ラインの黄金」フライア、「ワルキューレ」
ゲルヒルデでドイツ・デビュー。03年、04年にも同役でバイロイトに出演。
また、03年エッセン歌劇場にて「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
エーファで出演。同年11月ワシントンオペラ「ワルキューレ」ジークリンデ
で大絶賛された。「さまよえるオランダ人」ゼンタは重要なレパートリーで、
05年モネ劇場、06年にはバイエルン州立歌劇場に出演。新国立劇場初登場。
オランダ人:ユハ・ウーシタロ
1964年フィンランド生まれ。フルート奏者として活躍後、歌手に転身。
97年「ファルスタッフ」タイトルロールでデビューした。
幅広いレパートリーを持つが、最近ではワーグナー作品を中心に活躍。
特に「さまよえるオランダ人」のオランダ人では、ウィーン国立歌劇場、
ミラノ・スカラ座、サヴォリンナ音楽祭、サンフランシスコ・オペラ等に出演。
ベルリン州立歌劇場、バイエルン州立歌劇場に出演予定。新国立劇場初登場。
指揮:ミヒャエル・ボーダー
2005年「フィデリオ」に続いて、2回目の新国立劇場登場。ハンブルク
音楽院に学び、89年に30歳の若さでバーゼル・オペラの音楽監督兼
首席指揮者に就任した。2000年にはウィーン国立歌劇場でのデッカー
演出「ルル」で注目を集めた。
演出:マティアス・フォン・シュテークマン
1991年よりバイロイト音楽祭に参加、第一演出助手を務める。新国立劇場
には、開場記念公演「ローエングリン」でW.ワーグナーの演出助手を務めて
以来、「魔笛」・・「ニーベルングの指環(全4作品)」等に参加。
04年「ジークフリートの冒険」(子供版)を演出、大絶賛を博した。
新国立劇場オペラ劇場の演出は本作品がデビューとなる。
席種 S席 A席 B席 C席 D席 Z席
料金 21,000 15,750 10,500 6,300 3,150 1,500 円
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<追記2>・・・評判はいかに?
http://blog.e-get.jp/nnenq/
新国オペラ「さまよえるオランダ人」
2007年<2月25日公演>〜<3月10日公演>
☆鑑賞者の方々の声・・高い評価が並ぶ。(主催側の掲載とはいえ絶賛多し)
コンサート情報(ACT4)
新国立劇場「さまよえるオランダ人」
演出家の解釈が注目される幕切れのシーンは必見。
(演出:マティアス・フォン・シュテークマン)
新国立劇場「さまよえるオランダ人」
何のひねりもなく面白味がない(べた)演出に興味の無い層は、
鑑賞を「敬遠した方がいいかも」派の貴重な意見もちらり。
(演出:マティアス・フォン・シュテークマン)
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<追記3>・・・★ウーシタロ、カンペはやはり旬の歌手
2006年02月26日
Premiere Der fliegende Holländerw(Bayerishce Staatsoper)
26日バイエルン国立歌劇場《さまよえるオランダ人》プレミエ。
バイエルン国立歌劇場 生中継(Bayern4)
ワーグナー:「さまよえるオランダ人」
アダム・フィッシャー指揮
★ユハ・ウーシタロ、★アニヤ・カンペ
マッチ・サルミネン、スティーヴン・グールド
ハイケ・グロツィンガー、ケヴィン・コナーズ
★「ビデオクリップ」で、コンビチュニー演出らしき画像が見える。
前奏曲(全幕のクリップ挿入)、二重唱のカンペ&ウーシタロ(断片)が聴ける。
http://blog.livedoor.jp/sakag510/archives/cat_26715.html
オペラキャストニュース →データ多数、「2006年02月26日」記事を探す。
http://www.bayerische.staatsoper.de/spielplan/vorstellung.php?id=836
バイエルン・シュタッツオーパ(「オランダ人」2006年写真,2007年公演案内)
http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/updata/20000009.html
新国《さまよえるオランダ人》牛太郎・勘平 絶賛公演のスナップ
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<追記4>・・楽園を追われたアニヤ・シリヤ、今も健在!!
アニヤ・シリヤは70歳を超えて現役。70歳を迎えた特集番組(2005年05月23日BBC)。
19歳でバイロイトにデビューし、現在も《イエヌーファ》のコステルニチカや
《ルル》のゲシュビッツ等の性格的な役柄で活躍を続ける。2005年05月26日記事
http://blog.livedoor.jp/sakag510/archives/cat_26715.html
新日本フィルのコンサート・オペラ「サロメ」音楽監督アルミンクで!
ベテラン歌手アニヤ・シリヤも参加!(2004年3月19日クラシック・ニュース)
歌手陣もヨーロッパのオペラ劇場で活躍するメンバーたちである。
なかでもサロメの母・ヘロディアスを歌うアニヤ・シリヤは、1967年の大阪国際
フェスティバルで初来日した「バイロイト祝祭歌劇場」公演の「ワルキューレ」で
ブリュンヒルデを熱唱している。
それから37年、現在も世界のオペラハウスで活躍中の大ベテランである。
2004年3月25日(木)、27日(土) すみだトリフォニーホール
http://www.music.co.jp/classicnews/c-news/2004/0314-0320.html
来2008年2月29日-3月、伝説のディーヴァ、アニヤ・シリヤが再びアルミンク&
新日本フィルとの共演のために来日する。今回は彼女のコンサート・レパートリー
の中から、ムソルグスキーの歌曲集『死の歌と踊り』を歌うこととなった。
http://www.njp.or.jp/njp/programinfo/2007-08/2008_0229s.html
アニヤ・シリヤはクレンペラー指揮のCD「オランダ人」でゼンタを
歌っている。クレンペラー盤のエンディングでは「救済の動機」なし。
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<追記5>・1991,1992年代のバイエルン国立歌劇場「さまよえるオランダ人」
http://classic.music.coocan.jp/live-concert/europe.htm
バイエルン国立歌劇場「さまよえるオランダ人」某氏旅行記1991年7月29日(月)
ザヴァリッシュ指揮、ヘニング・フォン・ギールケ演出
ロバート・ヘイル(オランダ人)、ユリア・ヴァラディ(ゼンタ)
感想の一部:幽霊船の合唱のところは凄かった。
http://www.1876.net/wagner/video/vdhollan.htm
バイエルン国立歌劇場『さまよえるオランダ人』LD映像等の記録
1991年3月25日、28日録画 EMI TOLW3659〜60
指揮:ヴォルフガング・サヴァリッシュ 演出:ヘニング・フォン・ギールケ
オランダ人:ロバート・ヘイル ゼンタ:ユリア・ヴァラディ
エリック:ペーター・ザイフェルト ダーラント:ヤッコ・リヘネン
バイエルン国立歌劇場管弦楽団
http://www.ne.jp/asahi/iizuka/toshiaki/operm_5.html
バイエルン国立歌劇場「さまよえるオランダ人」日本公演の記録
1992年11月28日ほか(日本公演日)
指揮:サヴァリッシュ 演出:ヘニング・フォン・ギールケ
オランダ人:モリス,ゼンタ:ヴァラディ,
ダーラント:ロータリング,エリック:ザイフェルト
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