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10月末(2007)に、横浜のショップで映画「ニーベルングの指環」の
DVDを買いました。アドベンチャーものの棚に、無造作にその一本
があったので、特に期待していなかったのですが、「題名」が気に
なって放っておけなかったという所です。
監督・脚本のウーリー・エデルが20年以上前から絵コンテを書いて
暖めていた作品でもあり、更に、監督は、幼少の頃、ライン川の河畔
で育ち、父親から、目の前のライン川の黄金伝説やジークフリートの
物語を聞いて育ったという、まさに打ってつけの最適任者でした。
その配役も、ブリュンヒルデはノールウェー出身、ジークフリートは
ドイツ出身、王様グンターはイギリス俳優など、適材適所が揃って
います。日本の発売元が「日活」というのも、興味深いです。
休憩入りで3時間でしたが、真夜中に見始めて、結局トイレ休憩だけ
で、そろそろ朝方にかかる時間まで、引き込まれる様に見てしまい
ました。
ワーグナーの楽劇で言えば、「ジークフリート」と「神々の黄昏」の
核心に迫る部分に凝縮されており、人物背景には、いわゆる「サガ」
や「ニーベルンゲンの歌」などの伝承を被せたもので、エピソード的
には、より多彩な展開が可能となりました。
アドベンチャーものの映画としては、ワーグナー的な人間関係の
不条理、騙し、裏切り、許し、救済など、胸を詰まらせる様な
悲劇的要素も、そのまま取り込まれていることから、CG活劇と
人間くささのバランスは、非常に良く完成度の高い作品に
仕上がっています。
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以下は、すでに知られている話の肉付け、再構成ですが、ネタ
バレとも言えますので、白紙で見たい方は、ご注意ください。
興味深い点は、ジークフリートの生い立ちは、家族が戦いで
霧散するジークムントのものであること。
アイスランドの女王ブリュンヒルデも、楽劇より強い女性の
設定で、対抗するクリームヒルト(グートルーネ)も対等な気の
強さや嫉妬深さを持ち、バランスが良い点も気に入りました。
ブリュンヒルデは、火山国アイスランドで、火山性の魔の炎に
守られると言うのが原典の様ですから、この生い立ちの設定に
違和感は感じませんでした。
(ワルハラからの天孫降臨(天下り)の地がアイスランドかも。)
ブリュンヒルデとジークフリートの関係は、明確に恋人では
あっても楽劇よりは、若干、距離を保っている点が、クリーム
ヒルトの割込みの許容度、距離関係とのバランスも含めて、
微妙で面白いです。
キースウォーナーがトーキョーリングでは、「伝承」エピソードを
あちこちに取り込んでいましたが、所詮ワーグナー作品としての
限界があった訳で、これを映画はオリジナルとして、簡単に、
飛び越えてしまえるので、とても気持ちが良いです。
クリームヒルトは、ニーベルンゲンの歌(二部)の様な鬼女的な
豹変はしません。楽劇より自己主張があり、魅惑的で愚かでは
ないものの、アドベンチャー映画としての軽さに踏みとどまっ
ています。
雪と氷の国アイスランドがクライマックスの一つとして登場し
結構、盛り上がりを見せます。初めて観る新鮮さでは「ぴか一」
でしょう。観てのお楽しみ。
グンターも歴史に登場するブルグント族の王様として設定されて
おり、伝説上の名君、ハーゲン卿が部下に付きます。
やはりジークフリート暗殺が中心テーマ、トーキョーリング同様、
グンターの指図によってハーゲンが成就するなど、ここは伝承
寄りです。
「大蛇」は映画のお得意品目ですし、「隠れカブト」の重要性は、
楽劇を超えているかも知れません。「呪文」もお楽しみです。
プロデューサーも嬉々として、製作過程を話していましたが
ワーグナーを下敷きにして、サガなどの伝承を肉付けに使い
高級料理のレシピを再構成する様な、一世一代の楽しみだった
のではないかと、うらやましくなります。
「伝承の物語群」と「ワーグナーの指環」に対して、「足して
2で割った」という見方もありますが、面白い「第3の指環」を
再提示して見せた、と称えても良いでしょう。
これに敢えて仲間入りさせるとすれば、ベジャールのバレエ
「ニーベルングの指環」が加わります。
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原題:「RING OF THE NIBELUNGS 」製作年度: 2004年
英語題「Kingdom in Twilight」
DVD定価(税込): 3,990円 、発売日: 2007年7月6日
販売元: 日活 (インターネット割引あり)
監督・脚本: ウーリー・エデル
音楽: アイラン・エシュケリ
出演: ベンノ・フユルマン (エリック/ジークフリート)
クリスタナ・ローケン (ブリュンヒルデ女王)
ジュリアン・サンズ (ハーゲン卿)
マックス・フォン・シドー (鍛冶屋エイヴィン)
アリシア・ウィット (グリームヒルト王女)
サミュエル・ウェスト(ブルグント王国グンター王)
『インデペンデンス・デイ』のスタッフがVFXを手掛けた
アクションアドベンチャー。
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☆ウーリー・エデル 監督、1947年4月11日生まれドイツ出身
☆クリスタナ・ローケン(ブリュンヒルデ)1979年12月19日生,
ノールウェー出身
<作品>ブラッドレイン(2005)ターミネーター3(2003)他
☆ベンノ・フユルマン(ジークフリート) 1972年1月17日生,
旧西ドイツ出身
<作品>スピードレーサー(2008)戦場のアリア(2005)他、
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映画「ニーベルングの指環」
2007年5月14日ころからWOWOWの鑑賞記事が出ています。
11月5日(月)にもWOWOW3で11:10〜14:20に放映され
ました。
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<導入あらすじ>
ヨーロッパの暗黒時代。
敵国の王に攻められ王である父親を殺された幼きジークフリート。
彼は鍛冶職人のエイヴィンに拾われ、自分の出生を知らぬままに
成長していく。
12年後。たくましい青年となったジークフリートは、神々の導き
により美しい女性・ブリュンヒルデ女王と出会い、恋に落ちる。
女王と永遠を誓った彼は、やがて自身の出生を知るために
グンター王が治めるブルグント王国へ・・・。(WOWOW・HPより)
DVDは、日活株式会社より2007年7月6日から発売されています。
http://www.nikkatsu.com/package/detail.html?pid=1285
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